奇跡を起こすには準備がいる。

爆発的な勢いで夢に近づき、
夢を99パーセントまで達成しながら、
最後の最後で夢を絶たれる人をどれほど見てきたことかわかりません。

夢を現実にする人と、
あとほんのわずかに届かなかった人。

その差を分けるものがあるとすれば、それは、
周りの人たちから、
本人の実力に見合った夢と思われるかどうか、
ということも数ある要因のひとつでしょう。

小さな夢は毎日のようにどんどん言いふらしてまわれば、
協力してくれる人が次々と現れるかもしれません。

そして、もしその夢が、
今の自分にとって大きなものであるならあるほど、
その夢を軽々しく口にしない、ということです。

おおかたのところ、大きな夢を軽い口で叩いていれば、
「冗談で言っているんだろう」と思われればまだ良い方で、
その夢を叶える力を持っている人たちに対しては、
「ずいぶん安くみられたもんだ」とプライドを傷つけてしまいますし、
せっかくファンになってくれた方も、
よほど過大評価をしてくれている人でなければ、
「その程度の実力で思い上がって何様のつもりか」と
反感を爆発させてしまいかねません。

それに気付こうと気付かざろうと、
アーティストに対する客観的な評価と、目指す夢との差が、
大きければ大きいほど、
応援してくれる人よりも足を引っ張る人が増えてくるという、
そんな悲しい現実があります。

でもそれは、本人の態度も要因のひとつとなりえるでしょう。

ひとつひとつの要因は小さくても、
ギリギリの勝負では、この小さな要因ひとつが、
夢を99パーセントで終わらせるか、
夢を現実にするかを左右する場面が訪れます。

成功か失敗かで分けるとするならば、
100パーセントでない限り、
99パーセントも0パーセントも同じなのです。

一言の重さ、一秒の重さ、一円の重さ、一人の重さ、一曲の重さ、
そのどれかを軽んじれば、大きく開いていた夢の扉が、
最後の最後、あと一歩の瞬間に、とつぜん目の前で固く閉ざされてしまう。

夢の実現を確信したところまで来ていた人にとって、
それは、とうてい受け入れがたく理解できない現実となるでしょう。

夢とは一歩を近づくのでさえ大変ですが、振り出しに戻るのは一瞬です。

10年かけて辿り着いたところから振り出しに戻されたとき、
また10年、ゼロから頑張れるかどうか。

私なら迷うことなく、やる、と答えます。

次こそ奇跡を起こすために。