チャンスをつかむ人、逃す人

昔、私がスカウトしたアーティストで、
たまたま携帯電話に出られなかったために、
人生を変えてしまうほどの大きなチャンスを
逃してしまった人がいます。
私自身のことではないにしても、
未(いま)だに思い出すことのある教訓です。

携帯電話のメールひとつにしても、
例えば大量の迷惑メールに苛(いら)立つあまり、
パソコンメールを全て受信拒否に設定してしまうアーティスト達は、
本人の自覚なくチャンスにも人にも見放されてしまいますし、
逆に楓奈のようにわずかなチャンスもしっかり受け止め、
大きなチャンスに変えてしまうアーティストもいます。

それは部分的に見ると
本当に些細(ささい)な生活習慣の違いに過ぎないのですが、
その結果は全く違ったものになるんですよね。

アーティストとして成功する人は、なるべくしてなる、というか、
まだ将来も見えないうちから、一般の方との生活とは微妙に違う、
「アーティストとしての生活」を
自覚をもって送っている、と感じるのです。

これは楓奈だけでなく、
私の目の前で夢をつかんだ全てのアーティストに
100パーセントの割合で共通していることです。

このニュアンスを伝えるのは難しいですね。
教えて変わるものなのか、
それとも変えることのできないものなのか……。
それら全てを含めて、その人の運命なのかもしれませんが。

原因に応じた結果に行き着く、ただ、それだけのことなのですけど。